皆さんお疲れ様です〜!今回は「釣りの現場で感じるあのモヤモヤ、数字で見える化してみようぜ!」っていう回です。
「1号から0.8号に変えたら、なんか感度が良くなった気がする…」とか、「遠投した先だとルアーが全然動いてない感じがする…」なんて経験、ありますよね。
これ、気のせいじゃなくて実はしっかりとした理由(物理)があるんです。現場での違和感を解消するヒントになれば嬉しいです!
ざっくり言うと?
同じおにぎりを食べるにしても「薄いラップ」と「分厚いジップロック」では、指先に伝わる感触が全然違いますよね。釣りもそれと同じ。ラインの太さが少し変わるだけで、水中でのストレスは劇的に変わるんです。
- 太さの差は「長さ」で増幅される:水中のラインが長いほど、わずかな号数差が大きな「弓なり」になって感度を邪魔します。
- 巻き取り量は「直径の変化」で別物になる:スペックにある「87cm」などは満タン時の最高値。糸が減れば回収スピードは落ちるので注意が必要です。
ここから先は少し小難しくなりますが、なるべく分かりやすく解説していきますね。
そもそも水中ライン長って?
水中ライン長というのは、文字通り「ロッドの先からルアーまでの間で、水の中に浸かっているラインの長さ」のこと。
これを増やす要因は主にこれ:
- 遠投:飛ばせば飛ばすほど増える
- レンジ(深場):深いところを攻めるほど増える
- 横流れ(潮流):潮に流されてラインが膨らむほど増える
「たかが数ミリの太さの差」でも、水中では「数十メートル分の面積」として積み重なって、ルアー操作の邪魔をすることになります。これが意外とバカにできないんです。
ラインにかかる抵抗のメカニズム
水中にあるラインが横から押される力を、流体物理学の「抗力式」をベースに計算してみました。
抗力式の基本(ざっくり): F = 1/2 × 密度 × 速度の2乗 × 抗力係数 × 投影面積
- F:ラインが押される力(これが大きいと弓なりになる)
- 密度:海水の密度
- 速度:潮流やリトリーブの速さ
- 投影面積:ラインの太さ × 水中の長さ
※出典:NASA Glenn Research Center
これを見ると、押される力は面積、つまり「ラインの太さ × 水中の長さ」に比例することがわかります。
50m/70m/100mでは?
実際にどれくらいの力で押されているのか?数値で並べてみるとこうなります。
(潮速 0.5m/s、海水密度 1025 kg/m³、DUEL「HARDCORE X8」シリーズの直径で計算)
| 水中ライン長 | 0.8号(0.153mm) | 1.0号(0.171mm) | 1.5号(0.209mm) | 2.0号(0.242mm) |
| L=50m | 120gf | 134gf | 164gf | 190gf |
| L=70m | 168gf | 188gf | 229gf | 266gf |
| L=100m | 240gf | 268gf | 328gf | 379gf |
号数を上げると?
号数を一つ上げると、抵抗は直径に比例して約12%〜16%増加します。
- 0.8号 → 1.0号にした場合
- 50m水中にある時:+約14g
- 100m水中にある時:+約28g
- 1.5号 → 2.0号にした場合
- 50m水中にある時:+約26g
- 100m水中にある時:+約52g
「14g〜52gの差」というのは、ルアー1個分以上の重さが常にラインを横に引っ張っているような感覚です。これでは感度が鈍くなるのも当然ですよね。
釣りのスタイルによる影響の違い
弓なりが起きると、釣りの種類によって困り方が変わってきます。
巻き物系(ミノー、バイブレーションなど)
- 課題:狙ったレンジからルアーが浮いてしまう、流れに負けてアクションが不自然になる。
- 対策:ロッド角度を調整してラインを沈めるか、ラインを細くするのが有効。
しゃくり物系(エギ、ジグ、ワームなど)
- 課題:アクションの入力にラグが出る、フォール中の繊細なアタリが消える。
- 対策:不要な糸ふけを素早く回収する。可能ならテンションフォールも併用。
巻き取り量について
次は巻取り量の話に行きましょうか。
スピニングでもベイトリールでも「糸巻量」で実際の巻取り量が変わります。
なぜスピニングでも変わるのか?
スピニングリールは、ハンドルの回転(ギア比分)に合わせて「ラインローラー」が回転して糸を巻き取りますよね。ラインローラー自体の回転速度は常に一定ですが、その糸が巻かれる先である「スプールの直径(有効径)」が変われば、一回転で進む距離(円周)も当然変わります。
これはベイトリールも全く同じ理屈。糸が出てスプールが細くなれば、一回転あたりの速さはどんどん落ちていくわけです。
巻き取り量の計算式
これを数式で表すとこうなります。
巻き取り量(L) = スプール有効径(D) × 円周率(π) × ギア比(G)
- D (Spool Diameter):その瞬間、糸が巻かれている面の直径
- π (Pi):3.14
- G (Gear Ratio):ハンドル1回転でローター(またはスプール)が何回転するか
つまり、スプール径(D)が半分になれば、一回転の巻き取り量(L)も半分になる…ということです。
「ハンドル1回転 87cm」といったカタログスペック。これ、「スプールが満タンの時」の数字なんです。
厳密にはスプールエッジの外周。
ダイワの「エメラルダスX LT2500-XH」を例に、糸が減った時の変化を見てみましょう。
- スペック上の巻取り:87 cm
- 糸巻き量:0.8号-200m
ラインが出てスプールの有効径が小さくなると、1回転の回収量は以下のように変化します。
- 満タン(44.7mm):87cm / 回
- 少し減って40mm:約78cm / 回
- 半分ほどで35mm:約68cm / 回
- だいぶ減って30mm:約58cm / 回
遠投先でアクションさせている時は、スペック上の数字よりも20〜30cm近く回収が遅れていることがあります。この差を意識しておくのが大切です。
つまり、100mぶっ飛ばした先とルアーが見える手前では1巻きでの移動距離が違う!ということ。
バイブレーションとか高速リトリーブしたいものをよく使う方は頭の隅に入れておくといいでょうな。
まとめ:状況に合わせたライン選択
「なぜその号数を選ぶのか」を数字で把握しておくと、戦略の幅が広がります。
- サーフ・磯(遠投重視):ラインが長くなるため、感度と飛距離を優先して「強度ギリギリの細さ」を狙う。
- ボート・近距離(パワー重視):ラインが短く弓なりの影響が相対的に小さいため、根ズレ対策で太くする選択肢もあり。
- エギング・ライトゲーム:操作のラグを最小限にしたいなら、やはり細号数が有利。
とまあ、理論上はこういう結論になってしまいますな。
皆さん知っての通り、「強度との兼ね合い」がどうしても存在するので、ラインを細くするっていう方法は自分の技術との相談になってしまいます。
以上の内容を頭に入れておくと役に立つことがあるかもですね。
今回はこの辺で。お疲れ様でした〜

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