海面は薄いヴェール。
風は刻一刻を切り分けるメトロノーム。
フロートに宿るのは、重さではなく「役目」。
水を測るセンサー。
同じ8の字を描くキャストでも、道具が変わればラインに乗る情報は別物。
たわみ、張り、沈み方。
一投ごとに書き換えられていく、水面下のログファイル。
皆さんお疲れ様です~。
今回はシンキングタイプのフロートリグをつかったアジングについて。
自分が持っていて愛用している「sキャリー」と「シャローフリークダイブ」について、「似たようなこと書いてあるけどどっちも同じなんだろうか?」ってところを検証しました。
結論から言うと、
- sキャリー4g:立ち上がりが早く“浮きやすい”。表層~表層直下のレンジキープが楽な代わりに、横風で流されやすい。
- sキャリー10g:風に強くレンジ安定。ただし“滞空感”はやや減り、フォールで“間”を作るには操作のキレが要る。
- シャローフリークダイブ8g:潜って戻る系の挙動でリフト&フォールの抑揚が出しやすい。明暗の境目で“入れて止める”が気持ちいい手触り。
ただし、当日の潮位・流れ・風向、そしてライン径やワーム抵抗で体感は普通に逆転します。
今回は“同ワーム・同フック・同ラインで1変数ずつ”のA/Bに徹し、そのうえでの傾向としてまとめています。
基本スペック
34 Sキャリー 4g(スタンダード)
- コンセプトは「ジグヘッド単体の操作感を沖へ」。全モデルが0.4gジグヘッド相当のスローフォールになるよう浮力調整済み。
- 重量 4.0g/入数 2個/価格 616円(税込)前後
- 挙動の目安:軽量JHを活かして表層〜中層の漂いを作りやすい。風が強い時は下側にB〜3Bのガン玉で馴染ませを推奨。
- 使いどころ:常夜灯の外周〜表層直下のレンジキープや、群れが浮いたタイミングの面攻め。
34 Sキャリー 10g(ヘビーウェイト)
- 遠投と安定姿勢を狙った重量版。着水音が小さくなる形状を採用。
- 重量 10.0g/入数 1個/価格 616円(税込)前後
- 挙動の目安:ヘビーでもフォール速度は0.4gJH相当に設計。横風下でのコース安定と、沖目のレンジ維持に強い。
- 使いどころ:向かい風3〜6m/sや、沖20〜35mの表層回遊を拾いたい状況。
アルカジック シャローフリーク ダイブ 8.1g
- タイプ D(ダイビング=シンキング)/カラー ホワイトグロー系
- 重量 8.1g/残浮力 −0.3g前後(ジグヘッド・ワーム込みで沈下設定)
- 沈下速度 本体のみで1mあたり約5〜6秒が目安
- 価格 500〜600円(税別)前後
- 挙動の目安:フロート本体も沈む設定なので、リフト&フォールの抑揚を付けやすく、明暗の境目に入れて“止める”操作がハマりやすい。
- 使いどころ:潮が走る堤防でのレンジ掌握や、暗部へ入れてからのスロー展開。
※スペックはメーカー一次情報+実売価格帯をもとに記載。水温や塩分濃度で“残浮力の体感”は変動します。現場では同ワーム・同JHで単変数比較すると差が見えやすいです。
実釣!
早速行ってみましょう。
検証セッティングは、
- 変えるのはフロートのみ(sキャリー4g/10g/シャローフリークダイブ8g)ジグヘッドは同じもので0.5gで固定。ワームも「サビキ的2in」同じカラー
- なるべく同レンジを意識。例えば20カウント等。
- フロートの接続は「キャロ&フロートスイベルsサイズ」(本体のみより若干沈みやすくなってます)
自分のシンキングタイプのフロートリグの基本アクションは
・1.ジグ単より強めにちょんちょん
・2.数秒テンションフォール
・3.テンションフォール時にロッドをじわじわリフト
「フォールで食わす」もあるけど何より「ジグヘッドを平行移動させる」意識でやってます。
テンションフォール時の「張り」
結論から言うと、同条件のテンションフォールでは
「シャローフリーク ダイブ8g < sキャリー10g」の順でラインの張りを感じやすかったです。
さらに意外だったのが、sキャリー4gでも張りを拾える場面があったこと。
体感としては「シャローフリーク8gがいちばん“スッと抜けやすい”」「sキャリー10gは“ピンと張りやすい”」「sキャリー4gは“表層で張りが乗りやすい”」という並びでござんした。
シャローフリークはあくまで「フロートリグ」、sキャリーは「沖でジグ単感覚の釣り」みたいなコンセプトだったかと。この辺りが響いていそうですな。
体感の内訳
あくまで体感ですがこんな感じ。
- sキャリー10g
風と水流の影響を受けにくく、ライン角度が安定。フォール中も糸鳴り〜わずかな抵抗が手元に乗りやすく、張り感は最も明確 - シャローフリーク ダイブ8g
ラインは緩みやすく、張りが出にくい(抜け感が強い)。特に風が吹くと顕著。 - sキャリー4g
当然10gにはレンジキープ感は及ばず。しかしシャローフリークよりもラインの張りを拾いやすい局面が多く出た
釣果!

sキャリー4g。
さびかずテンションフォールだけの時にブルンと!
めちゃくちゃアジのアタリだと思ったらむつ様。
何気に初めての魚種でした爆

こちらはsキャリー10g。
ボトム付近をじわじわロッドサビキながらテンションフォールさせてるとヌヌっときました。
アタリではサイズは分かりにくいですが、合わせて見るとその荒ぶり様にあらびっくり!
これぞマズメ鯵!って感じですな。

シャローフリーク8g
上2つとはポイントは違います。水深はせいぜいあって5mのシャロー。浅い場所でロッド角度高めで操作するとちょうどテンション拾えていい感じ。
サーフとかで使いやすいのはこちらですね!
比較条件(今回のセッティング)
- ジグヘッド:0.5g(#10)固定/ワーム:サビキ的2inchカラー固定
- ライン:PE0.4号+フロロ1.0号
- 環境:横〜向かい風2〜4m/s、潮ヨレ弱、常夜灯ありの岸壁
- 比較距離:沖20m〜50m、レンジ:20カウント中心
あくまで“同ワーム・同JH・同ライン”でフロートだけ変えたときの傾向として扱ってください。
まとめ
なかなかいい感じにまとまったんじゃあないすかァ?
まとめるとこんな感じ。
- Sキャリー4g
- 表層〜表層直下のレンジキープが楽
- 小リフト+テンションフォールだけでじっくり誘えて食わせやすい
- 軽いわりに「張り」を拾える場面もある
- Sキャリー10g
- 水の抵抗が強いためか風に強く、ライン角度が立ちやすい
- テンションフォール中の「コッ」というアタリが取りやすい
- 沖の回遊や向かい風の堤防で安定。水深10mくらいまでなら多分快適
- シャローフリーク ダイブ8g
- 「入れて止める」リフト&フォールが作りやすい
- 浅いエリアでもレンジを刻みやすく、明暗の境で強い
- 8gクラスとしては操作感が軽め。よりシャローエリア向き?
注意点
- 4g/8gは風が出るとテンションが抜けやすく、“5秒テンション”をサボるとすぐ上ずる
- 10gはテンションフォール+じわリフトを長く続けると底を擦りやすい
- いずれも、ライン・ジグヘッド・潮の条件次第で体感は普通に逆転する
用途別ざっくりおすすめ
- 近距離・表層~中層狙い
→ 浮き気味でも扱いやすい Sキャリー4g - ぶっ飛ばしてボトム!
→ テンション維持がしやすい Sキャリー10g - 水深が浅めのゴロタ・シャロー/明暗の境目を縦に刻みたい時
→ リフト&フォール主体で組み立てやすい シャローフリーク ダイブ8g
マズメのちょっと常夜灯アジングとは勝手が違うシチュエーションで役に立つかもですよ!参考にしていただければ。
今回はこの辺で。お疲れ様でした~

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